秋が深まると、そば屋の店先で「新そば」の貼り紙を見かけるようになります。「新そばっていつ食べられるの?」「普通のそばと何が違うの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、新そばの時期を夏と秋に分けて解説し、産地ごとの収穫時期の例、普通のそばとの違い、選ぶときのポイント、おいしい食べ方を紹介します。あわせて、滋賀県米原市で育つ「伊吹在来そば」が新そばになるまでの流れもお伝えします。
新そばとは、収穫したばかりのそばの実で作ったそばのことです。収穫後およそ1〜2か月のそばの実で作ったそばを指す、という説明もあります(HugKum(小学館))。
そばは、春に種をまいて夏に収穫する作り方と、夏に種をまいて秋に収穫する作り方があります(長野県野菜花き試験場)。そのため新そばにも、夏に出回るものと秋に出回るものの2種類があります。
春に種をまき、初夏に収穫するそばです。収穫の時期は、長野県で7月頃、福井県で6月下旬〜7月上旬、九州の春まき栽培で6月とされています(長野県野菜花き試験場、福井そばルネッサンス推進実行委員会「ふくいそばの話」、農研機構)。「夏そば」「春播きそば」とも呼ばれます。春まきには、日の長さに左右されず短い期間で実る「夏型」などの品種が向いています(福井そばルネッサンス推進実行委員会「ふくいそばの話」、長野県野菜花き試験場)。
夏に種をまき、秋に収穫するそばです。通常、「新そば」というとこの秋の新そばを指すとされています(福井そばルネッサンス推進実行委員会「ふくいそばの話」(用語集))。
収穫の時期は、産地や品種によって違います。たとえば、国内最大のそば産地である北海道では、主流品種「キタワセソバ」を6月頃に種まきし、9月頃に収穫します。毎年9月頃にそば屋に出回る新そばは、北海道産であることが多いとされます(国土交通省北海道開発局)。長野県では秋そばを10月に収穫し(長野県野菜花き試験場)、滋賀県米原市の伊吹在来そばは10月下旬ごろから刈り取りをします(伊吹在来そばの歴史と魅力)。
※その年の天候や産地、お店によって前後します。食べに行く前に、各店の情報を確かめてください。
新そばは淡い緑色をしています。梅雨時などになると茶色に変わり、風味も悪くなるといわれます(福井そばルネッサンス推進実行委員会「ふくいそばの話」(用語集))。
ただし、玄そばを低温で貯蔵して劣化を抑え、新そばに近い状態に保つ取り組みもあります(福井そばルネッサンス推進実行委員会「ふくいそばの話」)。
お店やスーパーでは、次の点を確かめてみてください。
せっかくの新そばは、香りを生かした食べ方がおすすめです。
滋賀県米原市の伊吹山のふもとでは、昔から受け継がれてきた在来種のそば「伊吹在来そば」が育てられています。2019年には、農林水産省の地理的表示(GI)に登録されました(伊吹在来そばの特徴、農林水産省)。滋賀県では近江牛に次いで2番目の登録です(伊吹在来そばの歴史と魅力)。
伊吹在来そばが新そばになるまでの流れは、次のとおりです。
伊吹在来そばは粒が小さく、そば粉にすると実の外側の薄皮が多く入るため、香りなどの個性が強く出るのが特徴です(伊吹在来そばの特徴)。伊吹在来そばを味わえるお店は、加盟店一覧からご覧いただけます。
伊吹在来そばは秋に刈り取ります。2024年は12月頃から新そばを提供するとお知らせしました(時期はお店によって違います)。新そばの季節には、ぜひ米原・伊吹を訪れてみてください。