「伊吹在来そば」は小粒であるため、そばの実を挽くと実の外側の薄皮が多く入ります。そのため、粉や麺にしたときに薄皮特有の香りなどの個性が強く発揮されます。その味は数百年前から評価されており、かつてはこの地を代表する名産として、諸侯藩士にふるまわれたり、藩に献上されたりしていました。現在でも、そば通の間では「独特の風味と味がともに強く、野性味にあふれたそば」と評され、のど越しよく上質な香りと甘みを感じさせてくれる、そば本来の味が受け継がれています。
採種場は、他品種と交雑しにくい周囲を山に囲まれた地形を利用。古くから脈々と受け継がれた「伊吹在来そば」は、山々に守られ、その混じりけのない野性味は今も当時のまま受け継がれています。水はけの良い扇状地上の圃場で「量より質」を大切に、良質なそばを栽培。伊吹在来そばの会では、一人ひとりの職人がこだわりをもって調理し、そばの実が持つ本来の味を皆様にお届けしています。
2019年、長年にわたり地域で育まれ、守られてきた特徴ある産品の名称を地域の知的財産として保護する農林水産省の地理的表示(GI)に「伊吹在来そば」が登録されました。生産者は「伊吹在来そば」の特徴を守るための品質管理を徹底し、地域の自然環境と結びついた高品質な「伊吹在来そば」を提供しています。
伊吹山麓で栽培される良質なそば粉と伊吹山麓の湧水で打ったそばの味は、のど越しよく上質な香りと甘み。それをピリッと辛い伊吹大根のおろしで食べる「伊吹おろし」がおすすめの食べ方です。